スノーパレード
そんなあたしに、珊汰は言ってくれた。
「雪乃は出来損ないなんかじゃないよ。ただ、」
「……ただ?」
真っ白な雪がちらつく冬の帰り道。
凍えるような冷たい空気の中で、唯一温かかったのは、繋いだ珊汰の手のひらだけ。
「ただ、ちょっと不器用なだけだよ。」
スノーパレードに包まれた、珊汰の笑顔。
あたしが編んだマフラーを直しながらそう言ってくれた、珊汰のあの横顔を
…守りたい、強く思ったの。
白銀に輝く雪を踏み締めて
ずっと、ずーっと
珊汰の隣に居たいって。
降りしきる雪を
“スノーパレード”と呼ぶあたし達にとって
二人で居る時間は
何にも変えられない、かけがえのない、永遠にも似た瞬間。
離れる、なんて
一生ないって
そう、思ってたのに―…