スノーパレード
「えっっ!?わ、別れたぁあ!?」
「深夏っ、しぃーっ!」
体育の準備体操で
深夏(みか)の声が真っ青な空に響く。
周りから痛い程の注目を浴びながら、何事もなかったように屈伸を繰り返すあたしに
「本当に珊汰くんと別れちゃったの!?」
と小声で耳打ちしてくる深夏。
「…まだ、別れたって訳じゃないよ。」
「でも、結婚しなかったら別れるって言われたんでしょ?」
「……うん。」
ちらっとグラウンドを走る珊汰に視線を向ける。
もうすぐ行われる、マラソン大会の選手に選ばれた珊汰は
クラスメイトと談笑しながら体を慣らしていた。
まるで、昨日の事なんてなかったかのように。
「…そっかぁ。だから今日二人一緒じゃなかったんだ…。」