スノーパレード
今日、11月22日は珊汰の18回目の誕生日。
これから二人でカラオケ行って、ファミレスに行く予定だった。
だけど目の前に居る珊汰は自分の誕生日の事なんて、もうどうでもいい様子。
珊汰へのプレゼントが床に落ちたカバンの脇から少し見え隠れしていた。
「……珊汰?」
急に黙り込んだ珊汰にあたしは恐る恐る顔を覗き込む。
「……れる。」
「え?」
ボソっと呟いた珊汰に、あたしはそっと耳を傾けた。
珊汰の学ランが少し夕日と混じり、彼の茶色の髪が透けて見えて。
ゆらゆらと揺れる瞳は
強い決意を表している。
「……結婚、してくれないなら…。」
視線がぶつかった。
「俺、雪乃と別れる。」
「…へ?」
もうすぐ、この街に
雪が舞い落ちる。
それは
11月下旬の出来事。