スノーパレード


「…ふぅん、」

そんなみんなを横目に
あたしはバーバリーのマフラーを首から外すとイスを引いて座る。

そしてそのまま
窓の外に視線を投げた。



相変わらず、教室のあちらこちらから女子の黄色い声が響く。

だけどあたしは一切興味がなかった。


いやいや、興味がないと言うよりか
『転校生』ってだけで“かっこいい”と思うのは間違ってる気がする。



期待して裏切られて。
みんな、幻滅するんだ。


…期待なんて、しない方がいいの。




しばらくして、教室の扉を開ける音が響いて
見慣れた担任が顔を覗かせた。

「ほれー、HR始まるぞ!席に着け!」


その掛け声に
珍しくみんなが言う事を聞く。

さすがに先生も驚いてるようだ。




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