スノーパレード
シンと静まる教室に
担任が一つ咳払いをして口を開く。
「みんなも噂では聞いてると思うが、転校生を紹介する。」
わぁっとクラスが一気に騒がしくなって
先生は「静かに!」そう言ってみんなに呼び掛けた。
「じゃあ、冬崎くん入って。」
先生の視線が扉に向かって、クラス中の目が同じ方向に投げられる。
次いで開いた前扉から顔を出したのは
まだ少しあどけなさが残る男の子。
まだ成長途中なのか
背はそんなに高くもなくて、体もとても華奢だった。
地毛か、それとも染めているのかわからないけれど
程よい茶色の髪が揺れて彼は小さくみんなに頭を下げる。
「冬崎 珊汰です。宜しくお願いします。」
……フユサキ、サンタ?
頭の中に、真っ白い髭を生やしたソリに乗るおじさんが思い浮ぶ。
…変な名前。