スノーパレード
それから3日。
珊汰は元々、明朗活発な男の子で、その明るさからか
すぐにみんなの中に溶け込んでいた。
まるで、最初から同じクラスだったみたいに
みんながみんな、珊汰に話を掛ける。
だけどこの時は
珊汰が好き、だなんてこれっぽっちも思ってなくて。
強いて言うなら人気者で可愛い男の子って目で彼を見てた。
別に仲良くなりたいとか思ってなかったし
珊汰は目立つ存在だったけれど、あたしはごくごく普通の女の子。
クラスの中心に居る珊汰は、あたしには遠い遠い存在。
――なのに、恋に落ちるのはすごく簡単だった。
あの日は朝から雪が降っていて。
この地方からしたら、雪なんてそう珍しいもんじゃない。
だけど、あたしは雪が大好きだった。
全てを真っ白に染める、雪景色が。