ガキ的愛情表現の結末【完】
9月の、残暑の厳しいある日。
有希は教室で暑さに耐え切れずにダラダラしていたが、男子生徒たちが水風船で遊んでいたので、
「ねえ、ちょっと、それ貸してよ」
物を頼む立場のくせに、偉そうに言った。
声の主が有希だということを確認すると、
「あ、あげるよ。か、返さなくてもいいから」
男子生徒は、おそるおそる水風船を有希に進呈した。
水風船が割れないように、ではなく、有希に近寄るのが怖かったためである。
いつも、哲也とのケンカを目の当たりにしていたため、男子生徒たちは下手に絡まれないよう一定の距離を置いていたのだ。
有希は教室で暑さに耐え切れずにダラダラしていたが、男子生徒たちが水風船で遊んでいたので、
「ねえ、ちょっと、それ貸してよ」
物を頼む立場のくせに、偉そうに言った。
声の主が有希だということを確認すると、
「あ、あげるよ。か、返さなくてもいいから」
男子生徒は、おそるおそる水風船を有希に進呈した。
水風船が割れないように、ではなく、有希に近寄るのが怖かったためである。
いつも、哲也とのケンカを目の当たりにしていたため、男子生徒たちは下手に絡まれないよう一定の距離を置いていたのだ。