ガキ的愛情表現の結末【完】
6月のある朝。
その日の日直だった有希が日誌を取りに職員室へ行くと、新村先生の横に見知らぬイケメン男子が立っていた。
「あ、もしかして、転校生?!」
有希は目を輝かせて新村先生の元に駆け寄った。
彼はイケメンなうえ、背も高く、筋肉質でいかにもスポーツマンという風体。
ほとんどの女子は彼をカッコイイと言うだろう。
しかし、有希の感性は、ほとんどの女子とは感覚がズレていた。
「ねえ、サッカー部に入りなよ」
彼に名前を聞くのも忘れて、有希は彼に迫った。
「え? あ、あの……」
「あ、私は渡辺です。
サッカー部の美人マネージャーです」
有希が平たい胸を張って自己紹介すると、ちょうどそこへ、いつものように大城先生に呼び出しをくらった哲也がやって来た。
「誰が美人だ、このチビ」
「なあに、また、呼び出し?
言っとくけど、私はアンタとは違うからね。
私は今日、日直で日誌を取りに来ただけなんだから」
後半、やたら早口になるあたり、有希も職員室の常連に違いない。
その日の日直だった有希が日誌を取りに職員室へ行くと、新村先生の横に見知らぬイケメン男子が立っていた。
「あ、もしかして、転校生?!」
有希は目を輝かせて新村先生の元に駆け寄った。
彼はイケメンなうえ、背も高く、筋肉質でいかにもスポーツマンという風体。
ほとんどの女子は彼をカッコイイと言うだろう。
しかし、有希の感性は、ほとんどの女子とは感覚がズレていた。
「ねえ、サッカー部に入りなよ」
彼に名前を聞くのも忘れて、有希は彼に迫った。
「え? あ、あの……」
「あ、私は渡辺です。
サッカー部の美人マネージャーです」
有希が平たい胸を張って自己紹介すると、ちょうどそこへ、いつものように大城先生に呼び出しをくらった哲也がやって来た。
「誰が美人だ、このチビ」
「なあに、また、呼び出し?
言っとくけど、私はアンタとは違うからね。
私は今日、日直で日誌を取りに来ただけなんだから」
後半、やたら早口になるあたり、有希も職員室の常連に違いない。