ガキ的愛情表現の結末【完】
「二人とも、いい加減にしなさいっ」


母親の桂子(けいこ)が眉を吊り上げ、仁王立ちしたら、それは食卓の上の夕飯に被害が及んだ時である。


その日のおかずの種類によって怒りの度合いが変わってしまうのはいたしかたのないことだが。

桂子の怒りが最も激しくなるのは、とりわけ漬け物に被害が及んだ時である。


この日は運の悪いことに、桂子の好きな漬け物3点セットが食卓に並べられていた。


そして、悪ガキ2名のアマレスによって床に散らばってしまった、漬け物たち――。


こうなってしまったらもう、有希も隆史も、それ以上夕飯を食べ続けることはできない。


だから、アマレスを始める前により多くの食品を体内に詰め込んでおかなければならないのだが。


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