ガキ的愛情表現の結末【完】
裕之に想いを寄せる女子たちも、有希のことはノーマーク。


「ヒロ」「ユウ」と呼び合っているにもかかわらず全然嫉妬されなかったのは、有希が、男でもないのに裕之の「男友達」として扱われていたからである。



さらに、真由は、


「ヒロくんの好きな女の子のタイプとか、聞いてきてよ」


2人がさらに仲良くなるきっかけを作った。




「友達に聞いてって頼まれたんだけど、ヒロってどういう女の子が好きなの?」



直球――である。



「え? あ、ああ」


その率直さのせいだろうか。


裕之は、有希になら、自分の片想いの相手を教えてもいいと思った。


もっと言えば、未だに引きずっている恋の悩みを有希に打ち明けたいと思った。

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