ガキ的愛情表現の結末【完】
哲也は保健室を出てグランドに向かったが、すぐに保健室の前に戻って有希を待った。


もしも髪を下ろしたままなら、束ねるよう言うつもりだったのだ。



可愛い有希を他のヤツらには見せたくない――。



すでに恋特有の盲目状態と独占欲が哲也を支配していた。




そして盲目状態は短時間で急速に悪化していた。


「あれ、まだいたの?」


保健室から出てきた有希はいつもの髪型だったにもかかわらず、哲也には、やはり有希が可愛く見えてしまうのだった。

< 32 / 90 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop