ガキ的愛情表現の結末【完】
そして、面白くないのは、有希も同じ。



ただし。

恋とは縁遠い自分を差し置いて哲也がモテ始めたことが気に入らないだけ、だったのだが。


「ちょっと~、練習中にイチャイチャするの、やめなさいよね」


ぶすったれた有希の表情に、



もしかして、ヤキモチやいてる――?



思わず勘違いしてしまった哲也は、さらにヤキモチをやかせようと、有希の前であえて理沙と仲良くしてみせた。




そんな哲也の浅はかな思惑をグランドで見ていた氷川先生は、たまたまそばにいた裕之と目が合うと、


「ありゃ、ダメだな」


呆れたようにつぶやき、


「……です、ね」


裕之も苦笑した。

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