ガキ的愛情表現の結末【完】
しかし。

氷川先生と裕之の予想とは裏腹に、ヤキモチ作戦は功を奏したようだ。



有希は、初めは本当にただ気に入らないだけだった。



だが、悪口を言われなくなった代わりに、ほとんど口をきくこともなくなってしまった、哲也。


その哲也が、自分には見せたことのないような優しい表情を理沙に向けていて。



なに、ヘラヘラしてんのよ――。


胸に募る、モヤモヤ。




さらに。


理沙の幸せそうな微笑み――。


自分と違って女の子らしい、理沙の仕草のすべてに、いちいち胸が痛んでいた。

< 40 / 90 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop