ガキ的愛情表現の結末【完】
「どうかした?」


有希の変化に最初に気づいたのは、裕之だった。


「ううん、別にどうもしないよ」


明らかに何かあったテンションで答える有希に、裕之はその理由を悟った。


「テツのこと、好きなんだろ?」



直球な有希には、直球――。



「え?」


有希は戸惑いを見せた。


モヤモヤの正体ーー。


裕之に指摘されて初めて気づいたのだ。


「……うん」


ふっと、目を伏せる有希。



その表情はとても女の子らしくて。


裕之は有希の初恋を心から応援したいと思った。
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