ガキ的愛情表現の結末【完】
1月2日。


真由と春奈と初詣に行く約束の日。


有希は重い足取りで待ち合わせ場所である春奈の家へ向かった。



春奈の家に着くと、


「あけおめ~。
 まだ真由来てないから、ここで待ってよう」


玄関脇の和室に通され、


「有希ちゃん、明けましておめでとう。
 寒いからお汁粉でも食べて」


すぐに春奈の母親が、お汁粉とミカンやお菓子を運んできた。


「ありがとうございます」


いつもの有希なら、この後すぐに「いただきま~す」と目の前の食べ物に手を伸ばすのだが。


「……ユウ、なんかあった?」


一向に手を出そうとしない有希に、春奈は違和感を覚えた。



――ピンポーン。

そこへ、真由、登場。


「あけおめ~。早く行こうよ~」


真由のテンションは、最高潮。


すぐにでも神社へ行き、裕之との縁結びを願いたいところだったが。


「真由ちゃん、明けましておめでとう。
 これ、食べてって」

「あ、ありがとうございます~」


春奈の母親が運んできた甘い誘惑に、あっさり腰を下ろした。

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