ガキ的愛情表現の結末【完】
「あ~、腹減った~」


哲也が帰宅早々アンパンに食いつくと、


――ピンポーン。

来客である。


「哲也、ちょっと出て」

「ん? んぐぐ」


口の中のパンを急いで飲み込み、玄関を開けると裕之が立っていた。


「話があるんだ」

「え? あ、んじゃ、まあ、上がれよ」

「うん」


2人が哲也の部屋に向かうと、


「誰だった?」


哲也の母親――由美子が現れた。


「あっら~、裕之くん」


サッカー部員の母親たちの間でも、裕之はアイドル的存在。


「あ、すぐ飲み物持って行くわね~」


由美子は上機嫌でキッチンへと消えた。

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