ガキ的愛情表現の結末【完】
裕之はコップを置くと哲也に向き直り、そして口を開いた。


「オレ、ユウが好きなんだ」


想定外の言葉に哲也は息をのんだ。


「オレ、ユウに告白しようと思ってるんだ」

「……なんで、オレにそんな話」

「テツに協力してほしいんだ」


裕之のまっすぐな瞳に捉えられ、哲也は目を逸らした。


「ってことで、よろしく」


裕之は立ち上がり、哲也を残して部屋を出て行った。



「あら~、もう帰っちゃうの?」

「ごちそうさまでした」

「また来てね~」



階下から響いてくる、由美子の若やいだ声――。


裕之に告白されて断る女子がいるだろうか――。


哲也は焦燥感に駆られた。

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