ガキ的愛情表現の結末【完】
ふと、人が走って来る気配を感じて振り返ると。
――哲也だった。
哲也は裕之のそばに来ると、呼吸を整えるのももどかしく、口を開いた。
「オレ……協力……できない。
オレも……アイツが……好き……だから」
乱れる息の間から、それでも本心を吐き出した。
そんな哲也をじっと見つめた後、裕之はふっと笑った。
「さっき言ったの、ウソだから」
「え?」
「確かにユウのことは好きだけど、それは友達としてだから。
告白する気なんてないよ」
「は?
じゃあ、なんで――」
「だって、見てられないよ。
高木さんと仲良くしてヤキモチやかせようとしてるみたいだけど、いつまで続けるつもり?」
「そ、そんなん……してねぇし……」
「そろそろ別の方法考えなよ。
もう、あんまり時間ないんだから」
「え?」
「ユウ、6月に静岡に引っ越すんだよ」
やっと落ち着いてきた哲也の呼吸が、一瞬止まった。
「あ、これ、誰にも――ユウにも言わないでね。
まだみんなに知られたくないみたいだから」
「あ……うん……」
裕之と別れてからもしばらく、哲也は茫然としていた。
――哲也だった。
哲也は裕之のそばに来ると、呼吸を整えるのももどかしく、口を開いた。
「オレ……協力……できない。
オレも……アイツが……好き……だから」
乱れる息の間から、それでも本心を吐き出した。
そんな哲也をじっと見つめた後、裕之はふっと笑った。
「さっき言ったの、ウソだから」
「え?」
「確かにユウのことは好きだけど、それは友達としてだから。
告白する気なんてないよ」
「は?
じゃあ、なんで――」
「だって、見てられないよ。
高木さんと仲良くしてヤキモチやかせようとしてるみたいだけど、いつまで続けるつもり?」
「そ、そんなん……してねぇし……」
「そろそろ別の方法考えなよ。
もう、あんまり時間ないんだから」
「え?」
「ユウ、6月に静岡に引っ越すんだよ」
やっと落ち着いてきた哲也の呼吸が、一瞬止まった。
「あ、これ、誰にも――ユウにも言わないでね。
まだみんなに知られたくないみたいだから」
「あ……うん……」
裕之と別れてからもしばらく、哲也は茫然としていた。