ガキ的愛情表現の結末【完】
哲也が職員室に行くと、すでに有希が資料の山の前に座っていた。


「な……何しに来たのよ」


不意に現れた哲也に、有希の鼓動は速まった。


「何って、手伝いだろーが」


2人が久しぶりに口をきいて緊張を強めた時、氷川先生がやって来た。


「渡辺、東にやり方教えて、2人でやってくれ」

「ちょっと、先生。
 なんでよりによっていちばん使えないヤツ連れて来るんですか」

「なんだと、コラ」

「ほら、ケンカしてる場合じゃないだろ」



先生に促され、資料整理に取りかかった2人。


「だ~か~ら~、そうじゃないってば。
 ほんと使えないね」

「おまえの教え方が悪いんだろーが」


時々悪態をつくのは、テレかくし。



夏以前とは違っている2人の雰囲気に、職員室の教師たちは内心ニヤついていた。

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