ガキ的愛情表現の結末【完】
昇降口を出て、傘を広げた哲也は有希を振り返った。
恥じらう2人の瞳が交わって。
ひとつの傘の下。
ぎこちなく並んで歩き出した。
2人で入るには傘はギリギリの大きさ。
もっとくっつけよ――。
哲也はそう言いたかったが、言えるはずもない。
だからせめて有希に雪がかからないように、そっと傘を傾けた。
白く舞う雪の中の。
初めての、2人きりの帰り道――。
2人は、ただ、黙って歩いていた。
恥じらう2人の瞳が交わって。
ひとつの傘の下。
ぎこちなく並んで歩き出した。
2人で入るには傘はギリギリの大きさ。
もっとくっつけよ――。
哲也はそう言いたかったが、言えるはずもない。
だからせめて有希に雪がかからないように、そっと傘を傾けた。
白く舞う雪の中の。
初めての、2人きりの帰り道――。
2人は、ただ、黙って歩いていた。