ガキ的愛情表現の結末【完】
翌日、帰り支度を整えて部室を出たサッカー部員たちは、それぞれの方向へと歩き出したが。


「あれ? テツ、帰んないの?」


部室前から離れようとしない哲也に気がついた。


「オレ……氷川Tに頼まれたことがあるから」


哲也は苦し紛れに言ったが、あながち嘘とは言えない。


いや、もしかしたら、これこそが氷川先生の狙いだったのかもしれない。



「あっそ」

「んじゃ、先帰るぜ」

「おうっ」


多少の違和感を抱いたものの、彼らは哲也を残し、その場を離れた。


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