ガキ的愛情表現の結末【完】
部活が終わると、


「帰ろうぜ」


いつものように、哲也が有希の元にやって来た。


「ちょっと教室に荷物取りに行くから」


待ってて――とは言えなかったが。


有希が置きっ放しの上履きに履き替えて教室に向かうと、哲也も上履きに履き替えてついてきた。



「荷物って、何?」


不意に聞かれて、有希は返事に詰まった。


引越しまで、あと9日――。


しかしまだ、哲也に転校することを知られたくなかったのだ。



「なあ、荷物って何だよ」


黙り込む有希に哲也は嫌な予感を抱き、口調を強くした。


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