ガキ的愛情表現の結末【完】
「オレのカノジョになれよ」


哲也の言葉に、有希は驚いて顔を上げた。


「でも、私、転校するんだよ?
 ……4時間以上、かかるんだよ?」

「会えなかったら、ムリ?」

「え?」

「メールするし、電話もする」

「…………」

「オレはおまえを好きだし、おまえもオレを好き……なんだろ?」

「……うん」

「だったら始めもしないで終わりにしたくない」

「…………」

「続くとこまで続けようぜ」


良く言えば、強気。


悪く言えば、考えなしの行き当たりばったり。


それでもそんな哲也の力強い笑顔に、有希は勇気づけられた。


「うん」

「じゃあ、今からおまえは、オレのカノジョだからな」


哲也は有希の手をつかんで歩き出した。


……昇降口に向かって。

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