ガキ的愛情表現の結末【完】
3月26日。


練習を終えると、


「荷物取りに行くんだろ?」


哲也が有希に声をかけた。


「ううん、いい。
 離任式の日に、弟に持たせるから」


有希の気持ちを悟った哲也は、テレくさそうに有希を見つめて、


「じゃあ――」


周りにサッカー部員たちがいるにもかかわらず、しっかりとその手を握りしめた。



これにはさすがに、


「おいおいっ」

「なにしてんの?!」


即座にツッコミを入れる、恋の応援団員たち。


「こいつ、オレのカノジョだから」


テレくさそうに、しかし誇らしげに言い放つ哲也に、


「やったじゃん!!」

「なんて言って告白したんだよ~」


今まで我慢していた分、ここぞとばかりに冷やかす応援団員たち。

< 82 / 90 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop