【超短編 02】メロディ
今まで去っていった乗客と変わらず、私も後ろ髪を引かれる思いでホームに降り立つ。
両足が地面に着いたとき、私の頭に電流のような衝撃が走った。
(あれは、人の声ではないのか)
そう思い、後ろを振り返ったときに、ちょうど扉が閉まった。
ゆっくりと走り始めた電車が私に諦めを誘う。
完全に見えなくなるまで、私はその場に立ち尽くしていた。
数年ぶりに帰ってきた田舎で遭った旧友にその話をすると
「俺も一度だけ聞いたことがある」
と言われて驚いた。
その町では結構噂になっているらしく、毎日あの電車を使っていても、めったにお目にかかれるものでもないらしい。そして、あの音楽の答えも知っていた。
「お腹の中にいる胎児から聞く母親の声なんだそうだ」
どうやってそれを録音したのか、どうしてその男がそんなものを電車内に流しているのかは謎のままだったが、その答えには納得させられるものがあった。
もしかしたら、昨日亡くなった母親と最後に会わせてくれたのかもしれない。
両足が地面に着いたとき、私の頭に電流のような衝撃が走った。
(あれは、人の声ではないのか)
そう思い、後ろを振り返ったときに、ちょうど扉が閉まった。
ゆっくりと走り始めた電車が私に諦めを誘う。
完全に見えなくなるまで、私はその場に立ち尽くしていた。
数年ぶりに帰ってきた田舎で遭った旧友にその話をすると
「俺も一度だけ聞いたことがある」
と言われて驚いた。
その町では結構噂になっているらしく、毎日あの電車を使っていても、めったにお目にかかれるものでもないらしい。そして、あの音楽の答えも知っていた。
「お腹の中にいる胎児から聞く母親の声なんだそうだ」
どうやってそれを録音したのか、どうしてその男がそんなものを電車内に流しているのかは謎のままだったが、その答えには納得させられるものがあった。
もしかしたら、昨日亡くなった母親と最後に会わせてくれたのかもしれない。