キャンプ
俺達はまず、荷物を小屋の中におく事にした。

「何これ?」と、直子が言った。

何?と言った場所にはテレビがおいてあっただけだった。

だけど、今ではみることもなくなったカチカチとチャンネルを回すテレビ。

「直子、キャンプなんだからテレビぐらい我慢しろよ」と真平が言った。

「いいもん、携帯でみるから」と直子が携帯を取り出し、うなだれた。

「山奥だから電波がない」と、言って。

「誠、泳ぎに行こうよ」とりこが俺の袖を引っ張って言った。

「いいよ」

「あたしも行く」

「真平は?」

「俺は炭に火をつけたら行くから先に行ってこいや」

三人揃って敬礼し「アイアイサー」と言った。

毎年のように行くキャンプで、毎年にみる光景の一つ。
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