キャンプ
真平は俺を小屋の前まで連れていくと少し真顔になり、そして小声で言った。

「トンネル、湖」

「トンネル、湖?」おれは復唱した。

「トンネルで幽霊が見えなかったか?」

真平は真剣そのもので少し声をあらげて言った。

「ああ、影みたいなものは見えたけど、いつものことじゃん」と俺は話しの腰をおるようなことをわざと言った。

現実逃避したかったこともある。

りこたちと楽しく過ごしたいと言う思いもある。

知らなければ楽しくすごせる。

幽霊を見たからと言って今まで何もなかったんだから。
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