キャンプ
一枚の新聞だった。

それも相当に古い新聞。日付も23年も前になっていた。

「この新聞さ、たまたま見つけて、読んでて、」と言うと、真平はまた、口をつぐんだ。

そして新平は新聞の一面記事を指さした。

「嘘でしょ」

そう言ったのは直子だったが、みんな同じ表情をしている。

それはめのまえにあるものを受け止められない頭が恐怖と困惑をもたらした表情。

みんなの血の気が一気にひいたのだった。
< 19 / 25 >

この作品をシェア

pagetop