キャンプ
一歩、また一歩と近付く女性に俺達は恐怖のあまり声もでない。

りこは俺にしがみつき涙を流し震え、直子は腰をぬかして俺の前にいる。

俺は叫んだ。

「新平!塩だ」

新平は俺の声にびくついたが、それがよかったのか機敏にポケットのなかの塩を投げつけた。

そして新平はドアを開けて、俺は直子の手を引っ張り、体をおこす。

そして俺達は一斉に車に乗った。
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