キャンプ
新平は運転をしながら言った。

震えた声で。

「塩って効くんだな」

「ああ、一瞬だったけどひるんでたな」

精一杯の会話だった。

後ろで震えるりこたちのために。

車は猛スピードで山を下って行く。

ついて来られないために。

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