妖精さん!!   第1段階目
「ってかなんでいるわけ?」
「強いていうならお前の願いを叶えさせるため。」
有我は左耳の一番下の位置にある、まるいピアスに手を当ててから私の髪を束ね始めた。
「お前あれから本当に早く寝たのかよ。」
「寝ました!!10時に!!」
ため息をだしながら、それなのにあの寝起きかよ。と呟く有我。
仕方ないじゃない、私低血圧なんだし。
「そう言えば、」
私は思い出したようにといかける。
「あのあと何処にいったのよ。」
そう。あのあと。
早く寝ろって言ったあと。
わかったって。とふてぶてしく言い捨て瞬きしたら、そこに有我はいなかった。
「あのあと?…あぁ、帰った。」
帰った?
「何処に?」
「……言えねぇ。」
急に低くなったトーンに驚きつつも、私は、そう。と曖昧に答えた。
突き止めたかったけど、なんとなく聞けなかった。
「そういえばさぁ、“こんなじゃじゃ馬とっとと、終わらせてほかに…”とかってなんなわけ?」
少し重くなった空気を紛らわすために無理矢理話をそらす。
「…それも言えねぇ。」
あぁ、話題選択間違えた。
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