妖精さん!!   第1段階目
そこにはリビングの入り口でだるそうに頭をかきながらアクビをしている有我がいた。
「ちょっと、いきなり話かけないでよね。びっくりするっつーの。」
胸に手を当てながら大げさにため息をつく。
「だって、こーんな顔して冷蔵庫のドア閉めてるからおかしいったらないって………お前…それ。」
有我は、目をつり上げながらからかうのをやめ、私の手元を指指した。
「まさかとは思うが、お前の朝ご飯これだけなのか?っていうかお前の母さんは?」
「お母さんは仕事もう行ってて、朝ご飯これだけたけど……なんか変?」
「変に決まってんだろうが!!」
かぶせるように入れてきた突っ込みに思わずおののく。
「家庭科の授業ちゃんと受けてんのか?!どう見ても栄養バランス足りてねぇだろ!しかも、量も少ねぇし!」
そういうと、有我はずかずかとこちらに来て、冷蔵庫のドアに手をかけた。
「どけ、邪魔。向こうでそれ食っとけ。少しマシなもん作っとくから。」
なんとなく逆らえなくて、言われたとうり顎で示されたテーブルに向かう。「椅子座るとき背筋のばせよ!」
キッチン越しで少し曇った声だったが、釘を刺されたことに腹が立った。
そんなに信用がないのか。
 …そんなことを思う私に腹が立つ。
別にアイツにどう思われようが知ったこっちゃないじゃん。
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