愛と哀
じゃあやっぱり、写真に写ってる綺麗な女の人は彼のお母さん……。
でも何で私とお父さんと?
「家の中、探検してたの?面白いもんなんて何もないでしょ?」
「えっと、その」
「ご飯にしようよ。おいで」
考えれば考える程、何がどうなってるのか意味不明。
けど今は、
その真相を春田くんに聞く事もできない。
何故か聞くのが怖いと思ってしまったから。
「七乃、気になる事でもあったの?曇った表情だけど」
階段を降りながら、春田くんは私を見て心配そうな顔をした。
「ううん……何も」
「ふーん。聞きたい事は何でも聞いてくれていいからね?」
どうして彼がそんな事を言うのか、この時はわからなかった。