愛と哀





「つーか早く帰れ。あんた見てると吐き気がする」


「うーわ、冷たいなぁ。久々に再会した兄弟じゃん」


「お前の顔……嫌いなんだよ」



冷たい口調。
容赦ない言葉。


2人の間を流れる空気は氷より冷たく、酷く居心地が悪かった。




「あーあ、夕麻がそんなだから七乃ちゃんが怯えちゃってるじゃん」


玲央さんが私の肩に手を置いた。



その手は一瞬にして春田くんが振り払った。




「七乃に触るな。帰れ」


「……独占欲丸出しじゃん。つーか七乃ちゃんみたいに大人しい控え目な子ってそそるなぁ」



この人って……。
何考えてるか、読めなくて怖い。




< 110 / 283 >

この作品をシェア

pagetop