愛と哀
「つーか早く帰れ。あんた見てると吐き気がする」
「うーわ、冷たいなぁ。久々に再会した兄弟じゃん」
「お前の顔……嫌いなんだよ」
冷たい口調。
容赦ない言葉。
2人の間を流れる空気は氷より冷たく、酷く居心地が悪かった。
「あーあ、夕麻がそんなだから七乃ちゃんが怯えちゃってるじゃん」
玲央さんが私の肩に手を置いた。
その手は一瞬にして春田くんが振り払った。
「七乃に触るな。帰れ」
「……独占欲丸出しじゃん。つーか七乃ちゃんみたいに大人しい控え目な子ってそそるなぁ」
この人って……。
何考えてるか、読めなくて怖い。