愛と哀





「わかったよ。そんじゃお望み通り帰ってあげるよ。また来るけど」



玲央さんは意味あり気に笑って、私に向ってウィンクをした。


リビングを出て行く時、玲央さんは振り返って真剣な表情で……。





「あんたらの平穏な関係、いつまで続くかな……」


と、嫌な発言をした。




「は?何が言いたい?」


「夕麻、お前は愛し方を知らない。そうだろ?だからあんたはその子の愛し方がわからないんじゃないか?」



妙に後味の悪い言葉を残して玲央さんは帰って行った。




残された私達の間に漂うのは険悪で嫌な空気。




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