愛と哀
「七乃」
「ひゃっ……!!」
いきなり春田くんは私を抱き締めた。
背中に回された腕が私の腰、お尻を撫でまわす。
「ちょっ……やめてっ……」
力が強くて、どうする事もできない。
「消毒だよ。あいつといたら、七乃が汚れる」
あいつって……玲央さんの事か。
「お兄さんの事、嫌いなの?」
それに玲央さんの言ってた事も気になる。
愛し方が、
わからないって……。
「別に嫌いじゃけれれば、好きでもない。兄って言っても、ほぼ疎遠だったし」
そう、なんだ……。