愛と哀





「よし。今回も綺麗に付いた」


キスマークを見て、春田くんは満足そうに笑った。

私は見えないけど。




「七乃……」


私の隣に寝転がって、ウットリした表情で見つめてきた。





「……春田くん」


「ん?」


「お母さんって、いつも家に帰ってこないの……?」



気になってた事を思い切って聞いてみた。


不謹慎な質問かもしれないけど。




「……まぁね。あの女はキャバ嬢やってて、夜は仕事だし。多分最近は客の男の家に泊まったりしてんじゃないかな」



サラッと。
平然とした口調で答えてくれた。



うちの母親と少し似てる部分があるな……。



< 114 / 283 >

この作品をシェア

pagetop