愛と哀
「よし。今回も綺麗に付いた」
キスマークを見て、春田くんは満足そうに笑った。
私は見えないけど。
「七乃……」
私の隣に寝転がって、ウットリした表情で見つめてきた。
「……春田くん」
「ん?」
「お母さんって、いつも家に帰ってこないの……?」
気になってた事を思い切って聞いてみた。
不謹慎な質問かもしれないけど。
「……まぁね。あの女はキャバ嬢やってて、夜は仕事だし。多分最近は客の男の家に泊まったりしてんじゃないかな」
サラッと。
平然とした口調で答えてくれた。
うちの母親と少し似てる部分があるな……。