愛と哀
「やっ……やだっ……」
包丁の刃先が、
今にも首に触れそうな距離。
ねぇ?
春田くんは今何を考えてるの?
「ふっ……」
「……?」
「あははははっ!!何本気にしてんの?本当に可愛いなぁ」
包丁を床に置いて、春田くんはお腹を抱えて笑いだした。
何が可笑しいの?
私はちっとも笑えないよ?
「こんなの冗談だよ。七乃を傷つけるとか、絶対ないから」
「……」
「七乃が言う事聞かないから、ちょっとビックリさせようと思っただけ」