愛と哀
「あぁっ……!!!」
「ぉわっ……ビックリした……」
目を覚ますと、青かった空は赤くなっていた。
もう夕方……?
「大丈夫?七乃ちゃん、めっちゃうなされてたよ?」
「あれ、玲央さん……?」
何故か隣には心配そうに私の顔を覗き込む玲央さん。
私の額には汗がびっしょり。
たかが夢なのに……。
妙にリアルで不吉だった。
「本当に大丈夫?ジュースでも買ってこようか?」
「いえ。それより、どうして玲央さんがここに……」
「さっき家に行ったんだけど、誰もいなくて。そんで帰ろうと思って歩いてたら、この公園のベンチに七乃ちゃんがいるのを見つけたってわけ」