愛と哀
なんとも絶妙なタイミング。
「てゆーかダメだよ?女の子がこんなトコで無防備に寝てたら」
別に平気だよ。
どうせ人気のない場所だし。
それよりもヤバい……。
もう夕方って事は早くしないと、春田くんが学校から帰って来ちゃう!!
「あの玲央さん、私もう帰りますね」
そう言ってベンチから立ち上がって、走ろうとした。
「待って」
腕を掴まれて引き止められた。
「俺さ、七乃ちゃんと話がしたくて来たんだよ?だから少し話そうよ。いいよね?」
「でも……」
「本当に少しだけ。ね?」
真剣な鋭い眼差しに、私は断れなくて渋々ながらも頷いた。