愛と哀
事実、崩壊
「きっとさ、必死なんだろうね」
玲央さんはクスクスと笑いながら、馬鹿にしたように呟いた。
「必死……?」
「七乃ちゃんを自分のそばから離したくなくて、繋ぎ止めておきたくて、必死になってんだよ。キミはあいつが生まれて初めて愛した女の子だろうから」
私もなんとなく、そんな感じはしてた。
春田くんが少し必死になってるように見えた……。
「それにしても……」
「え……わっ!!??」
玲央さんは両手で私の顔を包み込んで、グッと顔を近づけてきた。
「あ、の……」
「……」
特に何もせずに、ひたすら玲央さんは私の顔を見つめてきた。