愛と哀





「ねぇ、春田くん……!!」


台所でゴソゴソ何かしてる春田くんに後ろから声をかけた。




「勝手に外に出て本当にごめんなさい。久々に外に出たくて……」


「……そう。そんな外が恋しかったんだ」



私の方を見ずに放たれたその言葉はとても冷たかった。





「外に出たいなら、俺に相談してくれればいいじゃん。七乃は俺の許可なく勝手に行動しちゃダメなんだから。何かする時は俺に相談して許可をもらわないと」


悪いのは私だけど……。


でもそれじゃあ、私に自由が全くないのと同じじゃん。



私は、何でも言いなりになる機械じゃないんだよ?





「約束を破ったから、罰を与えないとね。悪いけど、今回は見逃せないから。だって……あんな奴と親しそうに」



ブツブツと呟きながら振り返った春田くんの手には包丁が握られていた。




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