愛と哀
周囲の視線は痛いし、戸惑いも大きい。
今までずっと1人ぼっちだったから。
「ただいま」
放課後。
重い足取りで家に帰った。
リビングに入ったら、真っ先に向けられた母親の冷たい視線。
「……帰ってこなくていいのに」
第一声が「お帰り」ではなく、コレ。
父親は私が小学生の頃に亡くなった。
それ以来、私はずっと母親と2人暮らし。
他に頼れる親戚はいない。
両親は駆け落ちして一緒になった仲だから。