愛と哀
恋人なのに。
大切な人のはずなのに。
救ってくれた人なのに。
私にいっぱい優しくしてくれてる人なのに。
「七乃は世界で1番綺麗だよ?俺の大事な宝物」
春田くんに嫌悪感を抱いてる私はとても薄情な人間だ。
「春田くん」
「ん?」
「この部屋、どうにかして。写真……全部捨ててよ」
「何で?俺の宝物なんだから。いくらキミの頼みでもダメだよ」
「じゃあせめて場所を変えて。ここは嫌……」
「ダメ。七乃は俺の部屋に置いておきたいんだ」
私は置き物じゃないのに。