愛と哀
大きな浴槽には真っ白なお湯が。
「バニラの香りの入浴剤を入れておいたよ」
「いつの間に浴槽にお湯を……」
「こんな事もあろうと。七乃の所に行く前にね」
ぬかりがない。
先を見越して行動してる。
恋人とお風呂なんて、
普通はロマンチックなんだろうけど。
私は今、ロマンチックだなんひとカケラも感じてない。
「七乃、体洗ってあげるから。そこの椅子に座って」
指示通り椅子に座ると、適温のシャワーのお湯が私の体にかけられた。
「どう?熱くない?」
「大丈夫……」