愛と哀
「あっ……」
この人、春田くんのお母さんだ。
お父さんと一緒に写真に写ってた人……。
「……勝手に人の部屋に入ってくるな。つーか別に帰ってこなくていいから」
自分の母親にも関わらず。
春田くんの口調は冷たかった。
「母親に向ってその口の利き方は何よっ!?それに何よっ……この部屋はっ!!女の子の写真ばっかり……。しかも……」
鋭い視線が私に向けられた。
言葉が出ず、ただ頭を下げた。
「っ……この子っ……ソックリじゃない。あの人に……」
少しずつ歩み寄ってきた春田くんのお母さんはジッと私の顔を見つめた後、涙を流しながら私の頬に手を添えた。