愛と哀
家でも学校でも孤独なはずだった。
だけど、1人ぼっちの世界は変わりつつあった。
次の日も、そのまた次の日も春田くんは私に構ってきた。
「おはよう、七乃」
「おはよう……」
「この本、よかったら読んでみて。俺のお気に入りなんだ」
「ありがとう……」
どうしてここまで優しくしてくれるのか、理由は不明。
戸惑うけど、嫌ではない。
嬉しくないわけじゃない。
春田くんが構うようになってから、学校がそれほど憂鬱じゃなくなった。