愛と哀






「外……久々……」



風が気持ち良い。

やっぱ、外は良いな。




「七乃、少しだけ長旅になるけど……いいかな?」


「うん……大丈夫」



家を出て、早足で近くの駅へ。






「どこに行くの?」


「秘密だよ」


行先を知らないまま、電車に乗り込んだ。





「とにかく遠くに行くんだよ。邪魔者がいない遠くへ」


「……そっか」




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