愛と哀
中に入ると、そこに広がっているのは広い玄関と螺旋階段。
床はピカピカな大理石。
「すごく、綺麗だね……」
「そう?とにかく入ろう。長旅で少し疲れたでしょ?お茶でも飲んでゆっくりしようか」
リビングと思しき広い部屋に行って、荷物を置いてソファーに座った。
少しして春田くんは湯気の立った2つのマグカップを持ってきた。
「はい。ココアでよかった?」
「うん……」
「食糧は結構あるから。食糧庫にいろいろ日持ちする物があったらから、しばらくは大丈夫だよ」
春田くんはマグカップをテーブルに置いて私の頬に手を添えた。
「ここで2人で静かに暮らそう。大丈夫。もう誰も俺らの仲を邪魔する奴はいないから」