愛と哀








「っ……ここっ」



歩き続けて、やっと森を抜けたかと思ったら……。




目の前には、夕麻くんの別荘。


歩きまわって、結局同じ場所に戻ってきてしまった。



私……もう一生、逃げられないの?




絶望に支配され、正気を失いそうになりつつも。


ヨロヨロしながら別荘の中へ。



中は明かりが点いてなくて真っ暗。





私は電気も点けず、台所に行って冷蔵庫からお茶を取り出して一気に飲んだ。





< 261 / 283 >

この作品をシェア

pagetop